日本で新型コロナウイルス感染症の感染者が初めて報告されてから約1年経ちますが、現在、日本では第三波で感染者が急増し、福岡県には2回目の緊急事態宣言が発出されています。これ以上の感染者が増えないように最近の知見をまとめましたので、皆様の感染予防対策として参考にしてください

参考資料:
新型コロナウイルス感染症 外来診療ガイド(第2版:日本医師会)
新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き(第4.1版:厚生労働省)

 

1. 感染経路
感染している人の咳や会話によって生じる「しぶき」を吸入したり(飛沫感染)、ウイルスが含まれる喀痰や唾液などに接触した手で口や鼻、目を触ったり(接触感染)することで感染

2. 潜伏期間と感染性
・新型コロナウイルスに感染した場合の潜伏期間は、1~14日で、確定した患者のうち約97%が 11.5日以内に発症したと報告(WHOの報告では暴露から5日程度で発症することが多いとも
・ウイルスの排出は、発症する2~3日前より始まり、発症直後に感染力が最も強く、発症後8日で感染力は大幅に低下し、発症後7日以降はPCR検査が陽性であっても、ウイルス培養では陰性であり活性は認められないとの報告
鼻咽頭には症候性患者と無症状感染者とでは同等のウイルス量が認められており、無症状であっても感染力がある

3. 症状
典型的な初発症状はないが、発熱、乾性咳嗽、頭痛、筋肉痛、悪心(嘔吐なし)が比較的多くみられる症状で、強い嗅覚・味覚障害、倦怠感、下痢、などを伴うこともある

4. 重症化のリスク因子
高齢者のほか、高血圧などの循環器疾患、糖尿病、喘息やCOPDなどの呼吸器疾患、がん、各種免疫不全、人工透析などの基礎疾患があると重症になりやすい、年齢が高くなるほど致死率が高くなりやすい

5. 診断法
日本ではPCR法、抗原検査が主流
PCR法SARS-CoV-2に特異的なRNA遺伝子配列を増幅し、これを検出する検査方法で、感度が高いが、判定に時間がかかる(鼻咽頭と唾液からの採取方法があるが、唾液の方がウイルス量が約5倍多かった報告もあり、唾液がPCRの検体として信頼できる可能性がある)
抗原検査インフルエンザ検査キットのようにクリニックなどで迅速に診断できるが、対象者が発症2日目から9日目の有症状者に限定される

6. 濃厚接触者の定義
「患者(確定例)」の感染可能期間(発症2日前~)に接触した者のうち,次の範囲に該当する者
・患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触(車内,航空機内等を含む)があった者
・適切な感染防護なしに患者(確定例)を診察,看護もしくは介護していた者
・患者(確定例)の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
・その他:手で触れることのできる距離(目安として 1m)で,必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と15分以上の接触があった者(周辺の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)

7. 新型コロナワクチンについて
厚生労働省のHPに新型コロナワクチンについてのサイトがありますので、そちらをご覧ください(2021年1月24日時点)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html

 

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